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「アーユルヴェーダに欠かせない植物を育てながら五感を整えていく」「桃草舎」主宰モモさん 

2022.06.15 / 高村学 撮影:石川奈都子
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京都・嵐山の松尾大社からほど近い場所で、アーユルヴェーダと南インド料理の教室「桃草舎(とうそうしゃ)」を主宰するモモさん。インドを発祥とするアーユルヴェーダは、植物と非常に密接な自然療法として古くから知られています。柔らかい陽光が差し込む「桃草舎」の庭には、アーユルヴェーダに欠かせないトゥルシーやニーム、アロエベラ、アシュワガンダといった多種多様な植物が生い茂っています。

この場所には昨年引っ越してアトリエを構えました。裏には松尾大社があり、まるで聖地のような厳かな空気が流れています。そのことをモモさんにたずねると、「そうですね、ここは御神体があるので、エネルギーが違いますね。そのせいか、この庭にある植物も本当によく育ちます。植物があると、蜂や毛虫などの昆虫も集まってきて、自然を間近に感じられますね。桃草舎には、そういったことに興味がある人が集まってきます。私もそういう感じの空気作りをしたいと思います」と、微笑みます。

アトリエには、特製のスパイスやハーブが整然と並び、ピュアオイルを使ったギーランプの香りが立ちこめています。「五感は精神につながっていて、その精神が肉体を作っていると考えるのがアーユルヴェーダです。このアトリエでは、植物の力を使って五感を整えることを主に教えています」とモモさんは語ります。

この日いただいた自家製ドリンクには、トゥルシーの葉が添えられてあり、「庭のあの辺りにトゥルシーの畑があって、そこで摘んだものを使っています。庭で育てているほとんどの植物は食べられるものです。このトゥルシーは毎日食べていると病気にならないと言われていて、ちょっとした身体の不調ならこういったもので整えることができることをもっとみんなに広めたいですね」と、話します。

モモさんは、「桃草舎」でアーユルヴェーダの講座を開催し、メソッドだけではなくどういった意味があるのかまで徹底的に教えています。アーユルヴェーダは、おおよそ5千年前にはメソッドが完成してシステム化されたと言われています。その後、インドからいろいろな国へと伝来していき、土着の医学と結びついて発展していきました。アーユルヴェーダは少しずつ形を変えていき、さまざまな流派が誕生していきましたが、井上由貴さんはサンスクリット語で書かれた古典から学び、京都の地からアーユルヴェーダを広める活動をしています。「私たちのひとつ前の人類が作り上げたものじゃないかと思うくらい、アーユルヴェーダははるか太古の時代から存在しています。そうでありながら、これからの時代にこそ必要とされていると感じています。アーユルヴェーダは根本治療をしながら、精神や魂の有り様まで考えていきます。そのすべてを治療するのが、自然からの恩恵であるハーブです」。

さらに、「桃草舎」では南インド料理の講座を開催しています。ミールスに欠かせないカレーリーフやバナナリーフもアトリエの庭で育てています。カレーリーフは山椒系のハーブで、ぴりっとした香りがします。「アーユルヴェーダでは、薬はすべて植物であって、ハーブとスパイスに境目はありません。それぞれ国によって定義を決めているだけであって、本来区別はありません。スパイスもすべて薬ですし、クミンひとつとってもそうです。クミンの場合であれば、胃が痛い時に食欲を出すために料理に取り入れます。体を温める薬効もあり、それを選んで料理に取り入れていくのがインド料理です。全員一緒という考えではないので、私のアトリエではまず自分の体質を知って自分にあったスパイスやハーブを選んでいきます。それもすべて古典にもとづいて教えています」。

モモさんは、何十年も前からいろいろな国の何十種類にもおよぶハーブを種や苗から取り寄せて育てていました。植物を追求すればするほど、その魅力に気付かされましたといいます。「前世のなにかが影響しているのだと思いますが(笑)、野草やメディカルハーブが好きすぎて、実際に自分で食べてみて薬効を試してきました。研究や勉強を重ねて追求していくとどうしてもアーユルヴェーダに行き着きます。伝承医学や自然療法の大元がアーユルヴェーダですので」。

モモさんは、つねに穏やかで笑顔が絶えません。そんなモモさんのもとには多くの入門希望者が集まります。桃草舎で開催される講座はいつも数分で満席となるほどでモモさんからの学びを多くの人が求めています。「私がみなさんに伝えたいことは、ハーブやスパイスを使って料理やセルフケアをして、心も身体も満たす事です。身体が整い、自分が満ちれば自然と周りにも優しく笑顔になれますし、自分の夢や理想にも早く近づけます。そしてアーユルヴェーダやインド料理を学んで、家族のためのドクターのような存在になってくれたら嬉しいですね。このアトリエからそんなことを発信していきたいと思っています」と、優しく微笑みながら語ります。

■「桃草舎」詳細
HP: https://www.tososha.com/
instagram : https://www.instagram.com/tososha.momo/?hl=ja
毎月1日に単発レッスンの予約を開始
アーユルヴェーダコースの他、インド料理ビギナークラス、ヘナ染め体験会などレベルに合わせた様々なコースを展開

Management

華道家 中村俊月 Shungetsu Nakamura
Shungetsu Nakamura
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華道家 中村俊月 Shungetsu Nakamura

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