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富山県・立山連峰のふもとの田園風景のなかでハーブの香・食・癒を体感できる「ヘルジアン・ウッド」

2022.11.21 / 岩見光 ©︎genfukei Photo by KOJI HONDA
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標高3000メートル級の立山連峰のふもとに位置する富山県立山町。2020年、この町に「ヘルジアン・ウッド(Healthian-wood)」はオープンしました。雄大な立山連峰のパノラマ、水深1000メートルの富山湾、そして一面に広がる田園の景観を一望できる場所に「ヘルジアン・ウッド」はあります。美と健康をテーマとした複合施設で、広大な敷地にハーブ畑、アロマ工房、レストラン、イベントスペースが点在し、それぞれが木道でつながっています。辺り一帯は、「ヘルジアン・ウッド」で育てているハーブの香りで包まれています。

立山町は、美しい田園風景が広がる自然豊かな地域です。澄んだ空気と山からのきれいな水が流れる田んぼに囲まれ、周囲には景色を遮る建物が少なく、移ろう季節の変化を日々感じることができます。「ヘルジアン・ウッド」を発案したのは、前田薬品工業の代表取締役社長・前田大介氏。同社は、1958年創業の医薬品メーカーで、外用薬を中心とした医薬品の製造販売を行っています。前田氏はまず、予防医学の面からアロマに着目し、アロマオイルを抽出する工房や原材料のハーブ畑を作ることから始めました。そして、リラックスできる空間を提供する場へと構想が広がっていきました。

「ヘルジアン・ウッド」は、田園風景の中に突き出したレストラン棟や多種のハーブ畑、精油を抽出する工房などで構成されています。ほとんどの建物は建築家・隈研吾氏が設計を手がけ、景色と建物が自然と一体となって調和しています。ハーブが入った和紙や稲藁の断熱材など、建物に使われる素材には周囲の田畑で作られた作物が使用されており、工業製品だけに頼らず、周辺の環境とともに育てていく建物になるように設計されています。

■ハーブにじっくり親しむ場所、「The Workshop」と「The Garden」

「The Workshop」はアロマオイルの抽出工房。ハーブ園である「The Garden」とともに、「ヘルジアン・ウッド」のベースともいえる施設です。オリジナルアロマブランド「Taroma(toyama+aroma)」の販売やハーブティの提供、ワークショップなどを開催しています。建物は全方位ガラス張りで、周囲のハーブを眺めることができます。

「The Garden」で栽培されるハーブは和洋さまざまで、夏にはラベンダーの美しい紫色が一面に広がります。専門資格を持つ講師によるセミナーや、蒸留見学、摘み取り体験も実施されています。収穫したハーブはアロマオイルの原材料となり、料理やハーブティーにも使われます。アロマオイルは、朝くみの清水を使った水蒸気蒸留法を採用しており、富山の湧水を使用し丁寧に抽出します。身土不二という考えから西洋ハーブだけでなく、その土地に古くから根付き我々の生活に有用されていた和ハーブの魅力について発信する活動にも力をいれており、和ハーブ散策会を企画したり、2022年には北陸初の和ハーブフィールドマスター認定講座がスタートした。

■「The Field」は自然に溶け込むイベントスペース

「The Field」は建築家・隈研吾氏が設計した木組みの三角屋根が特徴的な屋外スペース。木材が曲線を描くように並んだ温かみのある空間で、柔らかい風が感じられます。地元食材を販売するマルシェなどさまざまなイベントを開催しています。全天候型のイベントスペースのため、屋外ウェディング会場としても利用しています。

■開放感のある「The Kitchen」、「The Table」で心豊かな美味しさを

「The Kitchen」と「The Table」は、「ヘルジアン・ウッド」で収穫した作物や富山の食材を中心にしたシーズナルな料理を提供するレストラン。照明や個室の壁紙など、内装にもハーブが使われています。「The Garden」で栽培するハーブと地元の食材を使ったランチは、心と身体に優しい美味しさを提供します。「The Kitchen」ではカジュアルなランチを、「The Table」ではコース料理を楽しめます。レストランの大きなフロアには立山連峰が望める東側に大きなガラス窓があり、眼前に水田や大自然が広がる中、ここでしか味わえない料理を堪能できます。

水田とハーブ園の中に浮かぶように建つレストラン「The Table」で提供されるのは、季節ごとの旬の食材の魅力を引き出したコース料理。富山・滑川出身の熊野シェフは、東京やフランスのレストランで経験を積んだ後、2022年2月にUターンして「The Table」のシェフに就任しました。ガラス張りの店内を活かして、「このお米はこちらの水田、ハーブはそちらの畑で採れたもの。水はあちらにある湧き水を使って……」など、料理と食材を結び付けて富山の魅力を伝えています。さらに、料理を彩る器も県内の作家の作品を使用しています。

■季節を感じるティーカウンター

レストランの一角には、ティーカウンターがあり、ハーブティーをご提供する場所として使用されています。シーズンハーブティは二十四節気に合わせてブレンドされ、2週間ごとに内容が変わるそう。繊細な時候の移り変わりを感じながら、自分の身体に向き合うことができます。

■宿泊できるサウナ「The Hive」、癒しの時間を過ごす「The Spa」と「The Villa」

「ヘルジアン・ウッド」には、新しい施設が続々完成予定です。2022年6月にオープンした「The Hive」は、半地下構造のサウナホテルです。ハーブ園や立山連峰を見渡しながら、ハーブティーで水分補給し、夏はこんこんと湧き出る地下水を使った水風呂、冬は雪の中へダイブできます。また、アロマトリートメント施設の「The Spa」では、オリジナルアロマブランド「Taroma」を贅沢に使用。ハーブとアロマの心地よい癒しの時間を過ごすことができます。富山の散居村をイメージした宿泊施設の「The Villa」は2023年に2棟、2025年に2棟オープン予定。長期滞在できる場所を作っていくそうです。

立山町は陶芸をはじめ、ものづくりをする人が多い町。「ヘルジアン・ウッド」では入り口のサインなど作品を随所に置き、地域の人との繋がりも大切にしています。前田氏は、「ヘルジアン・ウッド」を住人と旅人が交流できる場として機能させたいと考えています。夢は休校になった小学校の復活で、「ヘルジアン・ウッド」に訪れた旅人がいつしか住人になり、豊かに生きられる「村」としての再生、新しいカタチの地方創生を目指しています。

■「ヘルジアン・ウッド」概要
〒930-3213 富山県中新川郡立山町日中上野57-1
https://healthian-wood.jp/

・The Workshop
営業時間:10:00〜16:00
定休日:水曜日(年末年始休業・冬季休業有)
問合せ:080-3525-8964

・The Table
営業時間:12:00〜15:00(最終入店13:00)/17:00〜22:00(最終入店19:00) ※3営業日前までに要予約
定休日:水曜(年始休業・冬期休業有)
予約/問い合わせ:076-482-2536

・The Spa by Taroma
営業時間:10:30〜20:00(最終入店)
※前日までの完全予約制
定休日:不定休
予約/問い合わせ:080-5853-6224 

・The Hive
営業日:年中無休
https://the-hive.jp/
予約/問い合わせ:070-8813-6905

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華道家 中村俊月 Shungetsu Nakamura
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